コバールの一般的な特性
難削材として知られているコバールですが、熱膨張率が低いという特性上、電子部品関連や、トランジスタ関連部品などで重宝されています。
そんなコバールですが、切削加工が困難な理由が3つ挙げられます。
①熱伝導率が悪い
②塑性変形による加工硬化が起きやすい
③切粉が工具に溶着しやすい
上記の条件が揃うと、切り削工具や切り刃の刃先が細かく欠ける現象が生じたり、切粉が刃物から離れないことによる削りすぎ、面相度の低下、加工精度の減少などを引き起こしてしまいます。
その為、適切な刃物の選定や負担を軽減するような条件・加工方法を慎重に決定して加工を進める必要があります。
コバールの主要化学組織(%)
合金名 | 当社材質名 | 密度 | 主要化学組織(%) | |||||||
コバール | Kovar | 8.25 | Ni | Co | Fe | Cr | Mo | Mn | Cu | 他 |
28.5~ 29.5% |
16.8~ 17.8% |
53.50% | 0.20% | 0.20% | 0.50% | 0.02% | C 0.03% S 0.02% P 0.02% Si 0.30% |
コバールの常温における機械的性質
引張強さ(kg/㎟) | 55 |
熱膨張係数 | 45.2~51.5(x10⁻7/℃)(20~450℃) |
熱伝導率 | 0.05(cal/cm/Sec.℃) |
電気抵抗率 | 50(uΩ・cm at25℃) |
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